QDT 2020年1月号
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Failure case62Feature article #2久保田紘基エクスターナルステインと表面性状の両立を目指して図1-6 画像合成。図1-5のA3シェードタブを切り取り、天然歯の上に貼り付けて比較した。図1-7 図1-6をグレースケールにして最終的な目標明度を決定し、使用するパウダーの選択基準にする。図1-4 VITAシェードA2、A3タブによる比色。図1-5 図1-4をグレースケールにして明度を確認する。図1-1 初診時。図1-2 テンポラリークラウン装着時。図1-3 支台歯のマクロ撮影。担当医:小澤謙盛先生(かねしげ歯科)症例概要:患者は40代男性。1のう蝕処置後、セラミッククラウンにて補綴する計画となった。フレームにはノリタケカタナジルコニアHT12を使用し、セラビアンZR(ともにクラレノリタケデンタル)を築盛した。口腔内試適で確認後、完成とした。筆者は特に前歯部少数歯補綴症例に製作方針:患者は反対側中切歯との調和を希望された。担当歯科医師から提供された写真から、形態に関しては若干の歯頚ラインの高低差を確認できるが、テンポラリークラウン装着時に患者は違和感がないとおっしゃっていたということで、この形態を参考にすることとした。おいては細部の色調・形態を再現するため、できるだけ口腔内試適をお願いしている。口腔内試適を行うには患者・担当歯科医師・歯科医院スタッフの理解が必要になるため、その必要性を説明したうえで、歯科技工士から提案することが大切だと考える。 色調に関しては、VITAシェードガイドA3(VITA Zahnfabrik,白水貿易)をベースに製作することとした。エナメル質表層近くの白濁や歯頚部の赤みが強い部分は強調し過ぎないようにして、口腔内試適で確認後に細部の再現を行って完成させることとした。4657QDT Vol.45/2020 January page 0062

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