QDT 2020年3月号
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33座談会 接着の疑問を研究者に聞く! 臨床で気になるあれこれ(前編)飯田吉郎1992年 岡山大学歯学部 卒業1996年 ナディアパークデンタルセンター 開設2015年 European Association for Osseo-integration 認定医取得アストラテックインプラントシステム アンバサダー、SSRG 栄三丁目リサーチグループ主宰、Greater Nagoya Dental Meeting主宰歯科医師(座長)峯 篤史1999年     岡山大学歯学部歯学科 卒業1999年~2006年 岡山大学にて大学院生を経て補綴科(クラウン・ブリッジ) 助手2006年~2010年 ルーベン・カトリック大学(ベルギー王国)にて奨学生を経てポストドクトラル・リサーチャー2010年~2012年 岡山大学インプラント再生補綴学 助教2012年~2019年 大阪大学にてクラウンブリッジ補綴学分野 助教を経て口腔補綴科 講師大学教員(歯科医師)飯田真也2006年 愛知学院大学歯学部 卒業2007年 同大学歯学部臨床研修課程 修了、小島歯科 勤務2011年 いいだ歯科医院 勤務日本臨床歯科学会会員、日本顎咬合学会認定医、日本歯周病学会会員、日本臨床歯周病学会会員、日本接着歯学会会員歯科医師木雄一朗2005年 日本歯科大学 卒業2005年 (医)鉄焦会亀田総合病院歯科センター勤務2008年 吉木デンタルクリニック勤務2009年 Y'sデンタルクリニック開院日本臨床歯科学会名古屋支部理事、日本顎咬合学会認定医・中部支部理事、日本口腔インプラント学会会員歯科医師山北耕治1998年 広島大学歯学部附属歯科技工士学校 卒業、 吉木デンタルクリニック勤務2004年 渡米2006年 有限会社ファイン勤務2008年 渡米2012年 Innite Dental Laboratory開設日本顎咬合学会中部支部理事、大阪SJCDテクニシャンコース4期受講、大阪セラミックトレーニングセンター20期卒業歯科技工士お願いします。飯田(吉郎):本日のテーマは接着ということですが、この考えかたが日本の歯科界に入りはじめたのはわれわれよりも少し上の世代、すなわち1980年代の中葉からだったように思います。私が在学していた岡山大学でも、卒業するころには接着の概念が授業に取り入れられていました。私と峯先生は同窓生ですが、とくに岡山大学は接着に対して力を入れていましたし、そういった経緯から、私もこれまでの臨床を通じて接着に興味をもちつづけてきました。接着技術の普及により、補綴にとっても保存にとっても大きなメリットが得られるようになりましたし、峯先生のような研究者による基礎研究を基により簡単・確実に使用できる材料も多く発売されてきています。私自身が卒業した頃は接着に関する知識が普及しておらず、敬遠する向きも多かったのですが、最近の若い歯科医師の皆さんはかなり知識をおもちで、使いこなしているように見受けられます。ただ、接着材にしても被着物にしても材料の種類が増えすぎ、混乱をきたしている現状があることも否めません。そこで今回の企画では、われわれ臨床家が日々感じている接着に関する疑問点や、巷でいわれている噂のようなものについてお伺いしていければと思っています。峯:本日はよろしくお願いします。大阪大学の峯です。大学院生のころから接着の研究を続け、留学先も修復の教室ということでひたすら接着に没頭してきました。よって、さまざまな材料に触れてきたことから、多くの情報が耳に入る機会をいただいています。先生方のご質問にすべてお答えできるかどうかはわかりませんが、少なくとも「現状ではエビデンスが整っていない」ということについては自信をもってお話しできますので、参考にしていただければと思います。 あと私は基礎研究だけでなく臨床研究も行っているのですが、ある2つの材料を比較した場合に、基礎研究では高い接着性が得られるにもかかわらず、臨床ではそこまで差がないということもしばしばあります。そういうところも含めてお話しできればと思います。QDT Vol.45/2020 March page 0317

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