QDT 2020年3月号
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コニアに色調を付与することが可能な浸透型カラーリングリキッドやモノリシックジルコニアに適した豊富なカラーバリエーションのステイン材が開発されたことも、モノリシックジルコニアの色調再現性の向上に大きく貢献したと言える。これにより現在では、ステイン法の選択肢はモノリシックジルコニアとリチウムシリケートガラスセラミックスの二択になっていると考える。 しかし、以前よりモノリシックジルコニアの色調再現性が向上したとはいっても、前歯部など高い審美性が求められる領域においては未だレイヤリング法による色調再現の優位性が高いと言わざるを得ない。これはステイン法とレイヤリング法の色調再現のアプローチが異なること、中でも主に表面的なアプローチをせざるを得ないステイン法では立体的な色調の深み(以下、本稿における「色調の深み」とは、色調の立体感に起因するものを定義する)を出せないことがひとつの要因ではないかと筆者は考えている。また、モノリシックジルコニアに対して細部の表面性状の付与が難しいことも要因のひとつとして挙げられるだろう。 そこで本稿では、モノリシックジルコニアにおいてこれらの要因を解決するために筆者がグレーズ材の使用方法を工夫することによって行っている2つのアプローチを紹介していきたい。色調の深みと表面性状を与えるための一考察前歯部審美領域におけるモノリシックジルコニアの応用Feature article #2鬼頭寛之CURA ESTHETIC DENTAL CENTER愛知県名古屋市中川区中島新町3-903-24Fホール午後10/18(日)講演者論文

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