QDT 2020年3月号
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96連載 Intra Oral Scanner : A beginner’s guideなってゆくであろうと確信もしている。 またこうした中、開業前の勤務医時代に勤めていた歯科医院がIOSを所有しており、日常的に使用していた歯科医師であればIOSのハンドリングに関して有利といえる。一方、現在の本邦のIOS普及率が5%程度1であることを考慮すると、現実的に多くの歯科医師はIOSに触れたことがないと推察できる。 しかし、これらはまったく問題にはならない。IOSのハンドリングは現在、以前に比較し簡単でちょっとしたコツをつかむことで容易に行うことができる。今回は、その点について解説するとともに、近年患者からも注目が集まっている衛生面の問題、そしてIOS用ソフトウェアのアップデートにともなって生じるデータの互換性などについて取り上げていきたい。 前回までは、IOSを購入し自院へ導入する前までのいわゆる前準備的な内容であった。そして今回からは、IOSをいよいよ導入し、稼働しはじめる時期の内容を解説したい。 ともかく覚悟を決めて高額なIOSを購入した以上は、徹底的に使用することが何よりも重要である。多くの開業医は、学生時代を含めIOSに触れて臨床応用した経験がほとんどないと考えられる。一方、欧米では歯科大学でIOSを用いた実習も行われているようで、在学中に学生がIOSに触れる機会も確保されている(図1)。しかし残念ながら、現在のところ本邦ではそこまでの体制が整えられていないようで、今後の歯科大学の授業体系の発展・確立に期待するとともに、大学に非常勤講師として籍を置くものとして、そう【はじめに】第3回:IOSの持ちかた/デジタル印象採得時の姿勢/IOSは清潔に/IOSのデータは将来にわたって使えるとは限らない? その対策歯科医師・歯学博士八重洲歯科診療所/日本歯科大学生命歯学部接着歯科学講座東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街中1号中村昇司 Shoji NakamuraQDT Vol.45/2020 March page 0380

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