QDT 2020年4月号
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54失敗しない総義歯臨床テクニック~診療室とラボとの連携~■はじめに 前回、松田歯科医師が解説した代表的な印象方法をある程度、歯科技工士が頭に入れておくと、診療を進めていくなかで歯科医師とのコミュニケーションが取りやすくなるので、ぜひ覚えておくとよい。 今回は、作業用模型と咬合床製作上の注意点について解説する。■作業用模型製作上の注意点 本連載第2回(2月号)で説明したとおり、担当歯科医師との情報共有を基に作られた適正なトレーにより最終印象が終了した後、歯科技工士は作業用模型を製作し、その後、咬合床を製作することになる。作業用模型製作上の注意点は研究用模型に準ずることが多いので、第2回の研究用模型製作の注意点を踏まえて、以下の2点を特に意識してほしい。Point!1.印象辺縁部の再現2.リリーフとブロックアウトを理解する1.印象辺縁部の再現 担当歯科医師が適正な印象を採得した後、その印象体をありのままに作業用模型へ再現するのが、歯科技工士にとって大事な技工工程のひとつである。その中でも印象辺縁部の再現は必須である。 辺縁部の適正な再現には、ボクシングという作業が必要になる。ボクシングもさまざまな材料・方法が紹介されているが、適正に辺縁が再現されればどのような方法を用いても問題はない。 今回は、参考までに筆者がふだん行っているボクシングの方法を2通り紹介する。a.副印象枠とアルジネート印象材を使った方法(図1~4)b.シリコーンパテと養生テープを用いた方法(図5)2.リリーフとブロックアウトを理解する リリーフは義歯床粘膜面の一部を凹状にして、顎骨や床下粘膜に加わる咬合力を緩和するものであり、ブロックアウトは義歯の着脱方向に対して、歯面や模型に生じたアンダーカット部を補修するものである。第4回 作業用模型・咬合床製作の悩み:「咬合堤の高さや位置がわからない!」連載失敗しない総義歯臨床テクニック~診療室とラボとの連携~講演者論文4Aホール午後10/17(土)大竹裕之*1/松田謙一*2*1歯科技工士*2歯科医師*1、2ハイライフ大阪梅田歯科医院大阪府大阪市北区梅田2-6-20パシフィックマークス西梅田2FQDT Vol.45/2020 April page 0480

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