QDT 2020年4月号
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86連載 Intra Oral Scanner : A beginner’s guideナーである歯科衛生士の業務について整理・把握し、IOSを用いた診療をスムーズに行うことを目的に解説したい。 歯科衛生士の仕事には、患者に対する口腔衛生環境の改善と向上のほかに、歯科治療のアシスタント業務も含まれる。これらは、術前・術中・術後のいかなる状況においても重要で、チェアタイムの効率化や予後向上などにおいて非常に大切といえる。また、ときに歯科衛生士は、歯科医師以上に患者にとって身近な存在となりうる重要な歯科医療従事者である。 筆者が考えるIOSを含めたデジタル歯科治療を自院で運営し成功させるポイントはスタッフ・知識・時間である。この中でも、歯科衛生士の存在意義は非常に大きい。 歯科治療とは、歯科医師の指揮のもと歯科衛生士、歯科技工士および歯科助手のチームによって、患者へ適切かつ最善の治療法と治療結果を提供する行為といえる。チームを構成する医療従事者は、各自の仕事を適切に把握し実行する義務がある。また、中心となるべき歯科医師は、他の医療従事者各自の義務を遂行し責任を果たすよう、行うべき仕事の内容を説明して理解を得なければならない。 歯科医師は、その資格に歯科衛生士や歯科技工士の仕事をすべて包括して行えるよう定められている。すなわち歯科医師は、歯科衛生士による治療行為や歯科技工士が製作する補綴・修復装置の品質など、患者に対して行われる治療のすべてに責任を負わなければならない。 こうした中、今回は歯科治療にとって重要なパート【はじめに】第4回:歯科衛生士に仕事の意味を的確に理解してもらおう/的確なアシスタントワークでデジタル歯科診療の質を向上しよう歯科医師・歯学博士八重洲歯科診療所/日本歯科大学生命歯学部接着歯科学講座東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街中1号中村昇司 Shoji NakamuraQDT Vol.45/2020 April page 0512

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