QDT 2020年6月号
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94連載 Intra Oral Scanner : A beginner’s guideンポジットレジン(以下、CR)を応用することで歯頂側へ移動できるビルドアップテクニックにおいても同様で、「適切なCRの応用を前提とした上で、歯肉溝深さが2mm程度の症例への適応が確実であろう」と解説した。 前編の繰り返しになるが、デジタル印象採得は術者の理解度と技術によってその正確性に差が出る。これは、IOSのハンドリングであったり、各種形成の完成度であったり種々の要因の蓄積による。 今回は、前編で触れることができなかったその他の項目について解説したい。 前回は、IOSを用いたデジタル印象採得の前編と称してIOSの特性と使用上のルール、またデジタル印象採得に際して気をつけることに関してできるだけ詳細に解説した。その中でも、とくにIOSユーザーから質問の多いフィニッシュラインの位置に関して焦点を当てた。 要約すると、「フィニッシュラインは歯肉縁から縁上とすることが基本である。歯肉縁下へ設定する場合には、歯肉溝の深さが2mm程度の症例において、歯肉縁下1mm程度までとすることが現実的に正確なデジタル印象採得を行える範囲であろう」ということである。また、歯肉縁下のフィニッシュラインをコ【はじめに】第6回:IOSによるデジタル印象採得の注意点とその実際(中編)歯科医師・歯学博士八重洲歯科診療所/日本歯科大学生命歯学部接着歯科学講座東京都中央区八重洲2-1 八重洲地下街中1号中村昇司 Shoji NakamuraQDT Vol.45/2020 June page 0808

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