QDT2020年8月号
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鈴木 淳Iris Dental Laboratorio東京都練馬区関町北4-2-13 グランドステータス関202 前編ではステイン法におけるプレスセラミックスとジルコニアの特徴を比較し、筆者の臨床における選択基準と勘どころについて紹介した。しかし、材料の進化により審美領域にもステイン法を適応可能なケースが増えたとはいえ、ステイン法による審美表現に限界があることは変わらず、その適応範囲は限られてくる。そのため、ステイン法で対応できないようなケースの場合は色調再現性に優れたレイヤリング法を選択することになる。 しかしこのレイヤリング法においても、デジタルの発展とマテリアルの進化により、以前のように360°すべてをカットバックするフルベイクタイプのフレームデザインだけではなく、さまざまなフレームデザインを選択できるようになった。たとえば、ステイン材で再現しきれない部分のみを陶材で補うパーシャルカットバックデザインや、唇側面のみをカットバックするフェイシャルカットバックデザインなど、患者の口腔内環境にあわせて築盛量を最小限に抑えつつ高い審美性を獲得できるようになってきている。ただ、これらのフレームデザインを選択してもマテリアルの特性を理解していなければ十分な結果を得ることはできない。 後編となる今回は、前編と同様にレイヤリング法におけるプレスセラミックスとジルコニアの特徴を比較したうえで、この2つのマテリアルを用いたさまざまなフレームデザインの使い分けと実際の臨床における勘どころを紹介していきたい。講演者論文講演者論文

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