QDT2020年8月号
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99第8回:歯科技工士と歯科医師との連携についてから使用している関係で、歯科医師以外にも歯科技工士や業者の方々とも話す機会に恵まれている。また、今回の連載を開始するにあたりさまざまな歯科技工士や業者の方々からお話をうかがい、それらを要約する1)デジタル技工には、歯科技工士の「手心」「忖度」は通用しない! 筆者は、チェアサイド完結型歯科用CAD/CAMシステムのCERECシステム(デンツプライシロナ)を昔【歯科技工士から聞いた話】図1 院内完結型以外のIOSを用いたデジタル歯科治療では、歯科医師が採得した口腔内データを歯科技工士へ送ることによって修復・補綴装置などを製作する。院内完結型でない場合は歯科技工士へのデータ送信と連携が欠かせない図2 歯科技工士は、歯科医師から送られてきたデータを用いて修復・補綴装置などを製作する。このときに、原則として石膏製の作業用模型が存在しないため、各種形成を含めたさまざまなデータのクオリティが重要となる。 このことは、基本的に従来の石膏模型となんら変わることがない。しかしデジタル歯科ならではの特異性が存在するため、注意が必要である。技工士サイドから見ても双方の連携の良否が治療成功の鍵となることに確信をもっている。 読者諸氏は、このことに関して「そのようなことは従来の治療においても当然で、今までの歯科治療と何ら変わらないではないか」と思われる方がほとんどだと思う。それは筆者も同感で、まったく否定しない。しかしながら、IOSを用いたデジタル歯科治療は普及してから比較的歴史が浅く、特異性もあるため従来のアナログ的歯科治療より理解も及んでおらず問題を含みやすい。 この連載では、「エビデンスはもちろん大切だが、実際の話をより直感的に分かりやすく解説する」ことを目的としている。今回は、以上より“聞き集めたエピソード”などもふんだんに交えながらかつ“誤解を恐れず”わかりやすく解説したいと考えている。QDT Vol.45/2020 August page 1079

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