QDT2020年8月号
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111耐火模型ベニア製作テクニック図1 ₁の破折をともなう術前の状態。図2 ₁のプロビジョナルレストレーションと、基準歯と同じ向きに配置したシェードガイドによるシェードマッチング。概要 耐火模型を使用したベニア製作テクニックについて臨床症例を基に説明する。 治療計画からパターン認識、耐火模型の製作、アルベオラモデル(歯型可撤式模型)、築盛、試適まで、その手順をステップバイステップで説明する。補綴装置をカスタマイズでき、審美的に良好な結果が得られることから、著者らはこの方法を信頼しており、フレームを製造する必要がなく、補綴装置の耐久性も良いため、経済的な観点からもこの手法を推奨する。キーワード:ベニア、模型製作、耐火模型、支台歯模型上での焼成術前 ₁の切端3分の1が破折していることに不満をもち、患者は歯科医院を訪れた(図1)。突出している₁によって生じる咬合状態によって、レジン修復を施したが繰り返し脱離・破折してしまう。治療方針について歯科技工所と協議した結果、治療チームはベニアによる低侵襲治療を選択した。咬合様式は両側ともに犬歯誘導であった。治療計画 耐火支台模型上に製作した補綴装置による治療を成功させるためには、既存のエナメル質に対し低侵襲形成を行うテクニックおよび接着技法が必要である。補綴処置前に、術前状態のシリコーン印象と写真による記録を行う。写真撮影に際して、基準歯の真下にシェードガイドを垂直に、側方から見た時に基準歯と同じ高さになるように配した(図2)。QDT Vol.45/2020 August page 1091

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