ザ・クインテッセンス2020年10月号
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38Feature article #1 DMPと臨床での支台歯形成で使用するカーバイドバーとダイヤモンドポイント(ジェットカーバイドバーFGおよびダイヤモンドポイントFG、松風。以後、両者を合わせてバーとよぶ)を同型のものにするため、DMPではアダプター(FGアダプター、デンタルエイド)と、技工用ストレートハンドピース(UM50TM、ナカニシ)を使用する。口腔モデルでの支台歯形成は5倍速コントラアングルハンドピース(Ti-Max X5、ナカニシ)を使用した(ただし臨床では#1/4、#1/2カーバイドバーの使用時には、エアータービンハンドピースを使用した)。1)診断的支台歯形成(DMP)と形成ガイドジグ(PGJ)の製作 適切な削除量とするため、使用バーを規定した。支台歯形成のデザインはShillingburgら8の方法に準じた。DMPと支台歯形成の途中でPGJの製作が入るため、ステップを時系列順に説明する。①プレパレーションデザインの記入 装着方向、外形線、グルーブの位置、削除量(色分け)をスタディモデルに記入する(図3)。デンタルエックス線写真で各部位のエナメル厚径の測定が必要である。②舌側面・隣接面のガイドプレーンの形成a.舌側軸面形成 舌側歯頚部マージンの1~2mm上方に、ラウンドバー#1/4(0.5mm)でガイド孔を作り、梨状バー(#265R)で歯頚部マージンに沿い軸面を切削する。その後ラウンドエンドバー(#107RD)で装着方向に平行面を形成し、そのまま欠損側の反対側エンブレジャー部(以下、エンブレジャー部とする)までガイドプレーンを伸展する(図4a)。b.欠損側隣接面の形成 ラウンドエンドバー(#107RD)で舌側軸面から移行するように、明確なシャンファーで歯頚部フィニッシュラインを形成する。接着面積をもっとも獲得できる部位であり、また対応する支台歯の隣接面と互いに平行壁を成すことで抵抗形態となる。ポンティック連結部の強度を確保するためにも約4mmの垂直的深さが望まれる(図4b)。 ガイドプレーンの削除量は本来のリテーナーに必要な厚さより薄いが、リテーナーを過豊隆に製作して、剛性を補償する。これはリテーナーの厚さが接着力に影響する9ためである。c.唇・頰側との境界の決定 唇・頰側(以後、頰側とよぶ)への金属露出を避けるために、ポンティックの診断的ワックスアップを行い、切削面の頰側境界を決定する。金属の露出程度を事前に確認でき、患者への説明ツールにもなる。とくに捻転歯の場合は、隣接面の広い部分が可視範囲となるため必要である。 ガイドプレーン形成後、サベイヤー(KM-I、ジーシー)で装着方向に対する平行性を確認する。③ガイドプレーン形成ガイド(PGJ-1)の製作a.ガイドジグ固定部の製作 ガイドをスタディモデルと口腔モデルの両方に設置するために、共通の基準面となる無切削の頰側面と咬合面に、常温重合レジン(パターンレジン、ジーシー)を築盛し、ガイドジグの固定部を製作する。このとき、頰側境界に沿ってレジンを築盛することで、境界を明示する(図5a)。 次に歯頚部マージンラインを指示する部分を作り、その後ガイドプレーンのテーパーの誘導部を製作する。テーパートゥールの代わりに、マンドレール(マ3.ガイドシステム製作QDT Vol.45/2020 October page 1298

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