QDT2020年11月号
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27新規バーセットの開発と、今求められる支台歯形成の基本 Part1:前歯部編はじめにジルコニアやハイブリッドレジン材料の普及図1a、b 昨今ではジルコニアあるいはハイブリッドレジンが臨床に多く導入されてきている。支台歯形成が生体を破壊しうることに注意すべき図2a、b 支台歯形成は歯という生体組織に術者が新たな形態をデザインする行為であることから、生体破壊につながらないように留意する必要がある。 かつては金属材料を主として行われてきた歯冠修復および欠損補綴が、昨今ではジルコニアあるいはハイブリッドレジンによる保険適応のCAD/CAM冠へと置き換えられ、臨床に多く導入されてきている(図1)。 これらのうち、ジルコニアにおいては“白いメタル”と称されるように金属補綴に準ずる厚みの支台歯形成にて対応可能であるが、審美的要件および機械的物性・特徴により、ジルコニアの表面に陶材を築盛する場合には、補綴装置全体の強度を考慮した支台歯形成量とする必要がある。 また、補綴装置の長期予後を担保するためには、使用する材料に応じて形成量をコントロールする必要がある一方で、補綴装置が脱離しないための維持を考慮した支台歯形態を与える必要もある。筆者は、化学的接着を応用した接着力を活用することも大切であろうと思うが、補綴装置が脱離しないようにするための基本は、機械的な維持・把持機構をしっかりとコントロールしながら支台歯形成を行うことが肝要であると考えている。 そして、支台歯形成は歯という生体組織に術者が新たな形態をデザインする行為であることから、生体破壊につながらないように留意する必要がある(図2)。 そこで本稿では、筆者が日頃から支台歯形成にあたって考慮している事項と、それを踏まえて新規に開発したバーキットの概要と使用法などについて解説していきたい。aabbQDT Vol.45/2020 November page 1413

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