QDT2021年1月号
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25担当歯科技工士とともに語る補綴治療の長期予後(前編:5症例提示編)日髙豊彦1982年 鶴見大学歯学部卒業1986年 日高歯科クリニック開院2006年 鶴見大学歯学部臨床教授2011年 東京医科歯科大学非常勤講師日本臨床歯科学会(SJCD)理事・指導医、日本臨床歯科学会東京支部(東京SJCD)顧問、日本口腔インプラント学会 専門医、日本顎咬合学会 指導医、OJ 副会長高橋 健1995年 東北大学歯学部附属歯科技工士学校卒業1997年 東京医科歯科大学歯学部附属歯科技工士学校実習科卒業1997年 日高歯科クリニック勤務2005年 ペルーラAOSHIMAセラミックコース修了2006年 Dental Laboratory Smile Exchange 開設日本臨床歯科学会東京支部(東京SJCD)会員、 東京医科歯科大学非常勤講師 2000年代前半より、歯科医師と歯科技工士のコラボレーションを追求してきた「QDT」。補綴歯科治療の効果を最大限に高めるためには「チェアサイドとラボサイドにおける目標の共有」が最優先事項であることを念頭に、そこに向かうための共通言語やテクニック、およびその実践例を多数の企画を通じ示してきた。 こうした中、2006年前後にはそれまで見られなかった、歯科医師と歯科技工士の垣根を越えたチームワークに関する多くの実践例が示され、その中でも高橋 健氏(歯科技工士・Smile Exchange)が携わってきた対談や講演、それに付随する著名歯科医師との症例提示は現在に至るまでチームワークにおけるベンチマークのひとつとして、最近の若手歯科医師/歯科技工士の間でも語り継がれている。日本国内の補綴歯科治療の世界に、歯科技工士と歯科医師の垣根を越えた「チームワーク」「コラボレーション」という言葉を歯科医師とともに根付かせた功績はもちろん、その治療結果においても読者を魅了してきた。 そこで本企画では、当時の「QDT」誌面、とくに「MASTER­PIECE」などで供覧された、氏が手掛けた症例の経過とその現在に注目。チェアサイド・ラボサイドのチームワークの旗手たちによって練り上げられた症例群がその後どのような経過をたどり、どのような対応を図ったのか。あるいは、チームだからできたこととして何が挙げられるのか……。2020年代を迎えた今、次世代のチームワークについて考える端緒として、その軌跡を提示することで再度読者への指針を示すことのできる誌面とできれば幸いである。(編集部)企画趣旨 過去から現在、またこの先という視点で歯科技工士としてのタイムラインについて少し考えてみたいと思います(図1)。1975年生まれの私が歯科技工士学校を卒業し、歯科技工士免許を取得したのは20歳で1995年でした。その後、東京医科歯科大学歯学部附属歯科技工士学校実習科に通うのですが、ひとまず歯科技工士となってから現在まで25年が経過しています。歯科技工士という仕事に定年はありませんが、25年も同じ仕事を続けていれば、現役世代の半分を過ぎ、そろそろターニングポイントに入ってきたことをここ数年実感しています。ちょうど現役時代の真ん中に来て、自分の行ってきた仕事がどうだったのかを見る機会が増えてきたといいますか、その時々に頭をひねりながら製作した補綴装置がどうなったのか、結果が見えてくる時期に入ってきたと感じています。 18歳から22歳までは学生で、その後日髙先生のオフィスに9年間ほど勤務しまして、そして30歳のときに開業して以来、独立技工士として現在15年が経過しましたが、その合間、合間に「QDT」編集部とのご縁があって、2006年から2010年ごろにかけては比較的頻繁に症例を発表させていただいていました。 当初から私は、雑誌に出たいとか技術を教える先生になりたいなどという動機があったわけではなく、技術職である以上一生に一度くらいは自身が誇れる仕事をできるようになって「MASTERPIECE」欄に紹介で加部聡一1999年 東京歯科大学卒業2001年 東京医科歯科大学 第二補綴科専攻過程修了、(医)英知会 あいはら歯科医院 勤務2004年 加部歯科医院 副院長に就任日本臨床歯科学会東京支部(東京SJCD)理事、 日本顎咬合学会認定医・臨床研修指導医QDT Vol.46/2021 January page 0025

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