QDT2021年1月号
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60私たちのフルデジタル補綴・修復 ~IOSを起点とした歯科医師・歯科技工士のチームワーク~*1山下恒彦 Tsunehiko Yamashita/*2寺本昌司 Masashi Teramoto/*3山下貴史 Takashi Yamashita*1歯科技工士・デンテックインターナショナル 大阪府吹田市江坂町1-16-32 デンテックビル2F*2歯科医師・寺本デンタルクリニック 大阪府大阪市東淀川区東中島4丁目1-14*3歯科医師・山下歯科医院 秋田県大仙市大曲黒瀬町3-45第1回 Full digital implant restoration utilizing IOSはじめにリレー連載~IOSを起点とした歯科医師・歯科技工士のチームワーク~た私ちのフルデジタル補綴・修復 筆者(山下恒彦)がインプラント補綴にはじめてデジタルテクノロジーを使用し、上部構造体の一部であるフレームワークを製作したのが1997年のことである。 当時は、Procera システム(ノーベルバイオケア)が欧米で普及しはじめ、それを使用して何とかインプラント上部構造のフレームワークを製作できないかという試みがなされていた。筆者も、ダブルスキャンテクニックを用いてアナトミカルな形態の高密度焼結酸化アルミナコーピングの製作をスタートした頃で、このテクニックを応用してチタン製のフレームワークも製作できないかと試行錯誤していた。そして、その一環として当時単冠補綴用に開発されたCera Oneアバットメント(ノーベルファルマ〔当時。現・ノーベルバイオケア〕。高密度焼結酸化アルミナ製アバットメント製作用システム)のレプリカをスキャンし、さらにその上の暫間補綴に用いるプラスチックスリーブにワックスアップを施したものをスキャンすることで得たダブルスキャンデータを基にチタン製フレームワークを製作し、その上にチタン用陶材を築盛して上部構造を製作していた。というのも当時、Cera Oneアバットメントの高密度焼結酸化アルミナが、かなりの頻度で破折を繰り返していたからであった。QDT Vol.46/2021 January page 0060

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