QDT2021年2月号
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110 今回からは今後のデジタルワークフローに必須となるCADデザインについて紹介していきたい。 まず、CADデザインとワックスアップを比較した上で、CADデザインを行うもっとも大きなメリットは作業時間の短縮である。当然、CADデザインに対する慣れと準備が必要になるものの、一定レベルまで習熟した後はワックスアップとは比較にならないほどの作業時間短縮が望める。また、ワックスアップをスキャンしてもその形態を完璧にデータ化することは難しいため、スキャン後に結局CADソフト上で微調整を行うことになる。それならば最初からCADデザインをする方が効率的である。とはいえ、筆者のラボにおいても、まれにワックスアップをスキャンして製作せざるを得ない症例があるのが現状であり、その場合はスキャン後にCADソフト上で調整して対応している。しかし、心がけておかなければならないのは、口腔内スキャナーのデータをモデルレスで仕上げるためにはCADデザインが必須になるということである。そのため、少しでも早くCADデザインに慣れておくことをお勧めする。 CADソフトには便利な機能が多く、その機能を活用することによってより効率的に作業を進めることができる。これらの機能はマニュアルにも掲載されている基本的な内容ではあるものの、講演などで質問していただくことも多く、思いのほか活用しきれていない方も多い印象があるため、今回はあえてCADデザインの前準備として最低限知っておいたほうがよいと思われるいくつかの要素を紹介させていただきたいと思う。また、ワックスアップと同様にCADデザインも漠然と進めるのではなくある程度の手順を決めて進める方がより効果的であるため、筆者のラボで行っているCADデザインの流れも簡単に紹介したい。はじめに連載Road to Modellessモデルレス時代に向けてデジタル機器を使いこなすために藤松 剛株式会社 STF京都府長岡京市開田2-1-5 とみふじビル3F第5回 最低限知っておきたいCADソフトの機能QDT Vol.46/2021 February page 0252

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