QDT2021年3月号
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47第3回 ラミネートベニアの支台歯形成ケースプレゼンテーション&ムービー 本項では、前項で述べた症例をアトラス形式で追っていく(図1〜33)。また、動画アイコンのある図に関しては、本ページ下部に示すスマートフォン用アプリ「QuintMobile」により動画を閲覧できる(45ページ参照)。また、本稿で使用する製品の詳細は図34~37に掲載する。発され、日進月歩で進化している。実際に筆者の臨床においても、CR直接修復を選択する割合は年を追うごとに増加してきている。 しかしながら、2021年現在の直接修復用CRの曲げ強度はもっとも高いものでも170MPa前後1、2であり、咬合面をすべて覆うような修復物(オーバーレイやクラウン)には適さないと筆者は考えている。図A~Cをごらんいただきたい。患者は30代女性。すでにCRで咬合面を修復しているが、大きな咬耗により修復部位が陥没している(図A)。このような症例においては、再度CRで修復してもさらに摩耗し、歯牙の形態が保たれないばかりか、治療を繰り返すことによって抜髄に至りかねない。このような場合、筆者は400MPa以上の曲げ強度を有する二ケイ酸リチウムインレーに置き換えることで対応する(図B、C)。 また、コンポジットレジン修復は長期間口腔内に存在することによる着色も避けては通れない道であろう。患者がそれを嫌う場合、セラミック修復に変更することが必要となる。以下、本稿ではこうした条件をもつ症例を提示していく(図1~33)。図A 術前。臼歯部はすでにCRで咬合面が修復されているが、大きな咬耗により修復部位が陥没している。図B CR修復物を除去し、二ケイ酸リチウムインレーに置換した。図C 前歯部の叢生の改善、また臼歯部咬合接触の是正を図るために矯正歯科治療を行い、その後メインテナンスを継続している。図1~3 審美障害を主訴に矯正医からの紹介で当院を受診。初診時、数年内になされたCR直接修復がなされており、患者は着色を気にしている。Ⅱ級過蓋咬合であったため、矯正歯科治療を先行させることとした。123QDT Vol.46/2021 March page 0331

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