QDT2021年5月号
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23新連載連動企画 マイ・カタログ 2021 for Digital Age 第1回 保険対応のCAD/CAM冠用ブロック&口腔内スキャナー編▲1.保険収載のCAD/CAM冠用ブロックの選択基準1)サイズ サイズは、どのメーカーも適応(後述)に合わせた大きさを準備している。メーカーによって表記の違いはあるが、小さいもので10×12×15mm程度で、大きいものは14×15×18mm程度である。2)レイヤーの有無・種類 審美性を必要とする場合、マルチレイヤーのブロックを用いる必要がある。こちらは、前歯のみならず小臼歯にも用意されているので、患者の審美的な要望に合わせて選択すると良い。3)色調 各製品で、日本人に合う色調を基本に数種類用意している。とくに審美面にかかわる前歯や小臼歯には5と、一般的な歯科補綴治療に必要となるものを項目立てて、そのような悩みに対し少しでも参考になればという気持ちで2013年から2015年にかけて連載をさせていただいた。 その連載が完結して以来6年が経過したが、昨今ではデジタルデンティストリーに用いられる製品が多数登場し、これまでの連載では触れていない機器・器材や材料に接する機会も増えており、その情報の整理が望まれるようになってきた。そこで現在、そして直近の未来に必要となるであろうデジタル歯科治療に必要な機器・器材や材料を取り上げていくことを目的に、種類を超えるものを用意している製品もある。今回紹介する中でもっとも種類が多いのは、松風ブロックHC(小臼歯用)で11種類もある。4)適応 こちらはご承知のように、小臼歯から始まり大臼歯、そして現在では前歯まで適応できるようになり、各社準備が整っている。5)物性 保険収載の材料のため基本的物性は決められているので大きな差はない。 取り決めでは、小臼歯用のCAD/CAM冠材料(Ⅰ)ではフィラー含有量が60%以上のみであるが、(Ⅱ)ではフィラー含有量は変わらないもののビッカース硬さは55Hv以上、3点曲げ強さは160MPa以上、吸水量は32μg/mm3以下と規定されている。大臼歯用の今一度連載を開始することとなった。読者の皆様に参考となる、デジタル時代の「カタログ」となるよう、各メーカーやディーラーのご協力をいただき作り上げていきたいと考えている。その記念すべき第1回目としては、巻頭特集の枠をお借りして、デジタルデンティストリーの目玉のひとつである、IOS(Intra Oral Scanner、光学印象機器)と保険対応のCAD/CAM冠用ブロック編をお届けする。なお、先の連載に引き続き、田中歯科器械店にサポートをしていただくこととなった。まずはこの場をお借りして厚くお礼申し上げ、連載再始動のごあいさつとしたい。QDT Vol.46/2021 May page 0555

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