QDT2021年5月号
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42私たちのフルデジタル補綴・修復 ~IOSを起点とした歯科医師・歯科技工士のチームワーク~はじめにリレー連載~IOSを起点とした歯科医師・歯科技工士のチームワーク~た私ちのフルデジタル補綴・修復第5回 IOSの参画によるインプラント治療への有益性 これまでラボサイドにて石膏模型をスキャンすることが起点となっていたデジタルの流れが、口腔内スキャナー(以下、IOS)の登場によって直接患者の口腔内をスキャンすることが可能となり、デジタル化の起点が一気に“川の上流”に移ることとなった。“川の上流”でデジタル化できることによって、印象材や石膏模型というアナログ媒体を介さずして補綴・修復装置を製作可能となるため、精度の向上や作業工程の省略といった利点のみならず、患者にとっても不快感の減少やチェアタイム・来院回数の短縮という「デジタルトランスフォーメション(DX)」をもたらし、「患者体験(PX)」を向上させることが最大のポイントである。この「PX」の向上は、とくにインプラント治療において最大化できる。すなわち、インプラント治療の、抜歯からインプラント埋入までの外科フェーズと、インプラント埋入から補綴までの補綴フェーズのどちらにおいても、このIOSを起点としたデジタルデンティストリーと非常に親和性が高い。そこで本稿では、前歯部における抜歯即時埋入・即時荷重の症例を供覧しながら、どのようなチームワークでデジタルを用いてこのPXを最大化できるかを解説していきたい。*1丸尾勝一郎 Katsuichiro Maruo/*2十河厚志 Atsushi Sogo*1歯科医師・三軒茶屋マルオ歯科 東京都世田谷区太子堂4-23-15 T-ハウス三軒茶屋2F*2歯科技工士・(株)デンタルデジタルオペレーション 大阪府吹田市江坂町1-16-31 協同江坂ビル3FQDT Vol.46/2021 May page 0574

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