QDT2021年5月号
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79第8回 ミリングの基礎知識機械加工とは? 機械加工とは、工作機械や工作工具を使用して金属やプラスチックなどの材料を加工することである。機器には旋盤、スライス盤、マシニングセンタ、研磨機、ボール盤、NC工作機械などがあり、また、切削工具にはドリル、バイト、リーマなどがある。これらの機器と切削工具を用いて材料を目的の形状に加工する。 機械加工の特長として、同一形状のものを安定した精度で大量に製作できることが挙げられるが、歯科では患者ごとの完全オーダーメイドによる単一生産になるため、同一形状の大量生産を行う工業製品とは大きく異なる。患者ごとの歯牙形態、支台歯形態など各シチュエーションによって求められる加工精度や加工手順は異なり、また用いられる工作機械も違ってくる。そのため、どの工作機械を使用するか、どういう手順で加工を行うかは機械加工において非常に重要な要素になる。そのなかで加工精度を最重要ポイントに考えながら、できるだけ不要な箇所に時間をかけずに作業時間を短縮できる加工手順を考え、さらにコストダウンも考える必要がある。 図1に具体的な加工の種類を紹介する。加工の種類にはさまざまなものがあるが、このなかで歯科用ミリングマシンにおいては「旋削」「穴あけ」「中ぐり」の3つの加工法が中心であり、それぞれの加工法のなかでさらに分類されている(図2~4)。機械加工の種類図1 機械加工の種類。加工の種類はさまざまなものがあるが、このなかで歯科用ミリングマシンにおいては「旋削」「穴あけ」「中ぐり」の3つの加工法が中心である。【ブローチ削り】【平削り】【形削り】【立削り】【のこ引き削り】【フライス削り】【旋削】【穴あけ】【中ぐり】QDT Vol.46/2021 May page 0611

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