QDT2021年6月号
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21光学印象時代の矯正技工:口腔内スキャナーを矯正歯科治療に使ってみませんか?具体的な活用方法図2 PC上で作成した平行模型(正面観)。図2~4には、模型編集ソフト3Shape Ortho Analyzer(3Shape)を使用した。図3 PC上で作成した平行模型(後方より俯瞰)。図4 PC上で作成した平行模型(上顎咬合面観)。④嘔吐反射の強い患者に対して快適といったことが挙げられる。印象採得に要する時間はアルジネート印象材を用いる場合と比較して有意な差はないが、快適さ、不安感、におい、呼吸(の楽さ)などでIOSのほうが良かったとする報告1がある。とくに口呼吸の小児では、嘔吐反射が強く印象採得を行う デジタルによる矯正技工に対応可能な歯科技工所であれば、スキャンしたデータを送ることで1)平行模型2)セットアップモデル3)矯正歯科治療に使用する装置が製作できる。以下に、それぞれについて解説する。1)平行模型 診断内容や治療方針を患者に説明する際には、口腔模型が必要である。従来の石膏模型では、経年劣化、破折の可能性に加え保管場所についても配慮や経費が必要となる。IOSでデータを採得した場合、ソフト上ことが難しい場合が多く見受けられ、こうした症例で嫌な思いをさせずに印象採得ができることも、医院として大きなメリットになるのではと考えている。以下、IOSを起点とした矯正歯科治療のアイディアと実例について、あえて具体的なIOSの使用法には触れずに、思い浮かぶまま示していきたい。平行模型への応用で容易に平行模型を製作することができる。つまり、トリマーや耐水ペーパーを用いて石膏模型と格闘しなQDT Vol.46/2021 June page 0671

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