QDT2021年6月号
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74 前回はミリングの構成要素として、ミリングマシン、CAMソフト、カッティングツールを挙げた。引き続き、この3つの要素についてより詳しくお伝えしていきたい。 まず、今回からはミリングマシンについて述べていく。現状の歯科業界においてミリングマシンの導入状況をみていくと、メーカーのプロモーションとユーザーのニーズが合っていないように感じている。具体的にいえば、日々の仕事内容やユーザーのやりたいことに対し、導入しているミリングマシンが合致していないことが多いのではないかと感じる場面が多い。現状、歯科用ミリングマシンにおいてすべてにおいて万能で完璧なマシンなどなく、とくに低価格で万能なミリングマシンなどは存在しない。理由は明らかで、本体価格が安いということは安い部品を使用せざるを得ないからである。ただ、勘違いしないでいただきたいのは、多くのミリングマシンのメーカーは高パフォーマンスのマシンを製造するためのノウハウがないわけではなく、販売価格さえ上げればよりパフォーマンスの高いマシンを提供することができるということである。歯科業界におけるミリングマシンの価格相場においては、現状流通しているマシンが限界ということである。この価格とパフォーマンスについては、車や家、PC、家電製品にたとえて考えていただければ理解していただけるのではないだろうか。 そのなかで、自分の求める精度に少しでも近づける工夫が必要になってくるのだが、そのためには、まずミリングマシン自体についての知識を深める必要がある。この知識は導入後ではなく導入前に深めておき、日々の仕事内容や自分のやりたいことを行うためのミリングマシンを自分自身で選定できる目を養うのがベストである。はじめに連載Road to Modellessモデルレス時代に向けてデジタル機器を使いこなすために藤松 剛株式会社 STF/京都府長岡京市開田2-1-5 とみふじビル3F株式会社 STF Tokyo/東京都台東区東上野6-23-5 第二雨宮ビル1F 101第9回 ミリングマシンの基礎知識①QDT Vol.46/2021 June page 0724

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