QDT2021年8月号
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20(前回の続き) 製作過程は、次のとおりである。①概形印象採得②精密印象採得・「咬合概測」③メタルフレーム試適・オルタードキャスト印象④レール(壁つきろう堤)による機能的咬合採得⑤義歯装着 通常のパーシャルデンチャーの製作法が、患者の来院回数が5回であるのに対し、歯の変位を考慮したパーシャルデンチャーの製作法でも、1ヵ所でも上下の歯の接触がある症例では、同様に5回で完成する(図1)。以下に、症例を通して解説する(図2~43)。①歯科医院1日目:概形印象採得 下顎の印象で採れにくいところは、前歯部の口腔前庭・臼歯部遠心の舌側・臼歯部の歯肉頬移行部の3ヵ所である。一度に3部位に印象材をまわすのは難しい。これらの部分に1ヵ所ずつ印象材が入るのを確かめながらトレーを動かし入れていくのがポイントである1(図3~6)。 印象材硬化後、口腔内から撤去する際には、トレーを捻ると印象の変形を起こしやすいので、手のひらの母指球で患者の頬骨を押さえ、トレーの柄を人差し指と親指でつまみ、患者自身で開口してもらう。するとトレーが下顎から真っ直ぐに外れたことになり変形が調整の少ないパーシャルデンチャー製作法─チェアサイド・ラボサイド双方からのアプローチ─後編:症例にみる調整の少ないパーシャルデンチャーの製作手順佐藤勝史*1Katsushi Sato*1歯科医師:佐藤歯科医院 ラ・フランス オフィス 山形県東根市板垣大通り8大友 謙*2Ken Otomo*2歯科技工士:デンタルラボフレンド 山形県米沢市太田町4丁目1-128-9調整の少ないパーシャルデンチャーを製作するためにFeature article #1QDT Vol.46/2021 August page 0914

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