QDT2021年8月号
8/9

71第11回 CAMソフトの基礎知識スキャンから加工までのデータの変遷とCAMソフトの役割 基本的に、歯科用CAD/CAMシステムにおいて模型をモデルスキャナーでスキャンすると、対象物の表面をミクロン単位の無数の点の集合体として読み取る。その点どうしをつないだ三角形の集合体で対象物の表面を表現したものがメッシュデータ(STL〔Standard Triangulated Language〕データ)となる。このSTLデータをCADソフトで読み込むと各CADソフトのフォーマットの3Dメッシュデータになり、CADソフトでのデザインが可能になる。デザイン後はCAMソフトに読み込ませるため、再度STLデータに変換する。 STLデータを読み込んだCAMソフトでは、ブロックやディスクにSTLデータをネスティング(位置決め)し、加工テンプレートを決める。すると、加工をどのような手順で進めるかのシミュレーションが行われる。このシミュレーションに問題がなければ、座標や各種ミリングマシンへの命令(コード)がテキストデータとして書きだされる。このテキストデータをNCデータとよび、このNCデータのとおりにミリングマシンは加工することになる(図1)。 この一連の流れを簡単にいうと、点から面に、面から3Dに、3Dから面に、面から座標にデータは形を変えていく。図1 スキャンから加工までの流れ。データの変遷とCAMソフトの役割スキャンから加工までの流れ装置装置スキャン作業CAMでネスティングCADデザインCAMでNCデータ出力NCデータで加工加工の仕上げソフトウェア技工作業3Dメッシュデータ(CADデータ)点の集合体(スキャンデータ)メッシュデータ(STLデータ)座標間加工順計算加工線の構築NCデータ座標間距離測定再度STLデータに変換QDT Vol.46/2021 August page 0965

元のページ  ../index.html#8

このブックを見る