QDT 2021年9月号
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歯科医師・あらかい歯科医院Global Dental System代表福島県南会津郡南会津町関本下休場729-1 最終的な歯冠補綴・修復装置の装着以前に装着される暫間的な装置として、「歯科補綴学専門用語集 第5版」(日本補綴歯科学会・編、医歯薬出版)では「プロビジョナルクラウン」が第一選択用語とされ、「暫間被覆冠」や「テンポラリークラウン」も同義語とされています。また、これらの3種は「プロビジョナルレストレーションの中で製作される単独冠。ブリッジとして製作される場合はプロビジョナルブリッジという」と定義されており、いずれの用語を用いるにしても「プロビジョナルレストレーション」の範疇にあることが示されております。そして「プロビジョナルレストレーション」の定義に関しては、「歯冠補綴装置の製作に際し、形成された支台歯を暫間的に被覆するクラウンやブリッジ。診断や治療方針の確認、支台歯の保護、歯周環境の改善、咬合の保持、審美性の回復を目的とする」とされています。なお、これらの用語の違いが、装置の形態や材料、コストや用途、および使用期間や保険適応などの違いを反映するか否かについて、同用語集では言及されておりません。 本企画では、こうした各種用語の存在、また「プロビジョナルクラウン(あるいはブリッジ)」が第一選択用語であることは理解しつつ、筆者の臨床家としての経験および臨床的助言を生かすこと、中でも筆者が考えるプロビジョナルレストレーションの各段階における役割を伝えることを目的に、なおかつ日本国内における社会保険歯科診療の現状を踏まえて用語選択を行いました。読者諸賢におかれましては、この点をご理解の上でお読みいただけますようお願い申し上げます。(編集部)Katsutoshi MatsumotoFeature Article #1プロビジョナルレストレーションにまつわる用語について松本勝利 臼歯部プロビジョナルブリッジの製作プロビジョナルレストレーションの「お宝箱」Part1:用語の確認と

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