QDT 2021年9月号
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(図2、3)、デジタルワックスアップを経てプロビジョナルレストレーションのミリングを行った。診断用ワックスアップと支台歯形成後の光学印象をマッチングさせ、コピー法にて診断用ワックスアップをコピーする。患者と画面を共有し歯冠形態を煮詰めていく(図4、5)。 完成後、仮着を行い半年間程度歯肉の経時変化を追う。時間的なコストと材料費・外注費用が軽減され、患者とコミュニケーションを図る時間が多く用意でき、信頼関係の構築にもつながる。3時間のアポイントでプロビジョナルレストレーションを装着可能な点第9回 DX時代の前歯部フルデジタル修復45abacbQDT Vol.46/2021 September page 1057治療のプロセス1)口腔内直接光学印象からプロビジョナルレストレーション装着まで(1アポイント) 歯周基本治療終了後、₂~₂の支台歯形成とIDS(イミディエート・デンティン・シーリング)、およびレジンコーティングを行った。同日にプライムスキャン(デンツプライシロナ)にて口腔内直接光学印象を行い図1a~c 初診時写真。口唇を閉じても切縁が収まりきらないため、乾燥しているのがわかる。図2 プロビジョナルレストレーション製作のため口腔内直接光学印象を行った。フィニッシュラインのコントラスト比を上げるため薄くパウダーを使用している。図3a、b モノクロ画像とカラー画像を切り替えながらクラウンのマージン設定を行うと、マージンラインの判別が容易である。突のため内向的思考が(++)であった。局所状態としては、4前歯はいずれも生活歯であり、口腔内清掃状況は中程度であった(図1)。

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