QDT 2021年9月号
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54QDT Vol.46/2021 September page 1066後編:臨床における対応Saki Lab/18 Moore st suite #110, Belmont MA, 02478, USA齋藤真行者が感じていたそんな疑問を解決するために模索してきた試行錯誤に対するひとつの結果であり、それを読者のみなさんと共有できればと考えている。これらの内容は、われわれ歯科技工士から行うことができるひとつの提案であると考えているので、ぜひ最後まで目を通していただければ幸いである。 後編では、前編で示した筆者が考える顔貌と調和するために必要な情報とその分析結果を、日々の臨床ケースに具体的にどのように落とし込んでいるのかをいくつかの症例を通して解説していきたい。Feature article #2左右非対称な症例における「歯」と「顔貌」の調和を目指してはじめに 後編をはじめるにあたり、再度本稿の趣旨をお伝えしておきたい。歯科技工士の製作する補綴装置の良し悪しは作業を行う前に必要な情報をどこまで収集できるかによって左右されるといっても過言ではないと考えている。実際、誌面や講演会のプレゼンテーションなどで目にする臨床ケースの中には、口腔内での審美性の回復、すなわち歯牙と歯肉の調和を追求することにあまりにも傾倒しすぎるゆえに、患者にとってもっとも重要な顔貌との調和が達成されていないことがあるように感じていた。本稿で執筆している内容は、筆Unbalance for Balance

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