QDT 2021年9月号
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Unbalance for Balance 左右非対称な症例における「歯」と「顔貌」の調和を目指して 後編55図1 歯冠幅径のバランスが悪い。中切歯は小さく側切歯は大きい状態であった。図2 支台歯の色調に問題はなく、シェードマッチングは容易であった。QDT Vol.46/2021 September page 1067担当歯科医師:Dr. Miguel Vidal(Massachusetts General Hospital)治療にかかわったタイミング:診断用ワックスアップ【立ち会い2回、最終補綴装置の試適1回】初診時正面観支台歯形成 筆者は診断用ワックスアップから依頼を受けた。治療前に写真を撮影し、各種基準線を評価すると、顔貌・口唇ともに大きな左右のズレはなかった(図3~6)。 その際に記録した資料を基にワックスアップを行うと同時にプロビジョナルレストレーションを製作し、口腔内に装着後に顔貌の評価を行った。最終補綴装置完成前に、一度形態確認の試適を行ってから完成とした。Case 1症例概要 患者は20歳代、男性。運動中の外傷から上顎4前歯を破折し、審美改善を主訴に来院された。コンポジットレジンでの応急処置を他院にて施された状態であった(図1)。可及的に歯質の保存を試みるが、₁以外はクラウン、₁はラミネートベニアで補綴治療を行うこととなった(図2)。₂、₁の歯頚線を整えてから補綴治療を行った。

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