QDT 2021年10月号
2/9

ab3Zero:セカンドプロビジョナルレストレーションで咬合修正を行った状態からマージン修正を行い、歯頚部方向へ歯冠延長したもの(歯肉縁下0.7mm程度の形成)3-1 :主にホリゾンタル的な要素の解決(歯肉縁下の形成量のおおよその目処が立つ)3-2 :歯肉縁下形成をしながら調和を決定する(歯肉圧排糸をかならず併用して行う)3-3 :ゼニスポイントの修正を行う3Zero3-23Zero3-1主に水平的な要素の解決(歯肉縁下形成量のおおよその目処が立つ)①最初に水平的張り出し量を決定3-3図1a、b TECの時点ではフィニッシュラインを歯肉縁上に設定しておき、PVRに移行するときに歯肉縁下0.7mmに形成するが、そのときを「3Zero」のPVRとし、そこから補綴装置の種類によりマージンの強度を担保するための水平的形成量を確保したPVRの形成を行う(「3-1」のPVR)。その際にサブジンジバルカントゥアの角度が強すぎる場合にはさらに歯肉縁下方向に形成を進めて、サブジンジバルカントゥアの角度が適正になるようにする(「3-2」のPVR)。そしてこれらが適正になった後にゼニスポイントの位置をPVRの唇面カントゥアに反映させ(「3-3」のPVR)、歯肉の形態を作り上げる(本図は前号より改変の上再掲、aは参考文献1より引用)。 マージンの修正は、3rd PVR(略称については前号を参照)の修正時によく使用するテクニックである。この3rd PVRには、「3rd ZERO」「3rd-1」「3rd-2」「3rd-3」の4種類があることを前号に示したが、今回はその説明をしたい。 まず「3rd ZERO」は、2nd PVRのマージン修正を行い、歯頚部方向へ歯冠延長したものである。次の「3rd-1」は、マージンの水平的な張り出し具合を調整したもの、そして「3rd-2」は、サブジンジバルプロビジョナルレストレーションの「お宝箱」 Part2:マージンの修正と前歯部プロビジョナルクラウンの製作カントゥアの角度が強すぎる場合に、マージンをさらに縁下方向に移動させて調整したもの、最後の「3rd-3」は、唇側最深部の位置(ゼニスポイント)を調整して審美的要件を整えたもの、である(図1)。 また、以下にPVRのマージンの修正の方法を2種示す。1)マージン部分がアンダーな場合の修正方法 図2に示すようにPVRのマージンが空いてしまっ3-1③最後にゼニスポイントの修正を行う3-33-2歯肉縁下形成をしながら調和を決定する(かならず圧排糸を併用しながら行う)②2~3週間経過後、垂直的な調整を行うQDT Vol.46/2021 October page 115921「3rd PVR」について1.マージンの修正方法について

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る