QDT 2021年10月号
5/9

QDT Vol.46/2021 October page 118446 近年ではモノリシックジルコニアでも以前とは比較にならないクオリティの補綴装置が製作可能になったことで、非常に効率的に補綴装置を製作できるようになった。筆者自身も最終補綴装置のクオリティを損なわない範囲で最大限効率を考えて働いている。ただし、効率だけを優先するならば常にモノリシックジルコニアを選択すればよいものの、目標とするシェードによってはモノリシックジルコニアでは良好な結果が得られない場合もある。筆者の場合、まずはモノリシックで再現可能な色調なのかを判断し、それが難しければ唇側だけカットバックして陶材を築盛するフェイシャルカットバック、それでも対応が難しいと判断した場合は全体を陶材で築盛するフルレイヤリングを選択している。なお、本稿ではこれらをモノリシック、フェイシャルカットバック、フルレイヤリングとよんでいく。 そこで本稿では、筆者がモノリシック/フェイシャルカットバック/フルレイヤリングをどのような基準で適用しているのかを解説していきたい。なお、臨床においては患者の口腔内環境や支台歯の形成量や変色、ブリッジ連結部の強度、咬合関係などを考慮して長期的に口腔内で機能させることが第一優先で、その上で目標シェードを再現できるかを考えていく必要があるが、今回はシンプルに伝えるために色調再現に着目して解説していく。はじめにWITH DENTAL CLINIC/232-22,Bu-jeon2dong,Busanjin-gu,Busan,Koreaチェ ムンシク(Moon-shik Choi)Feature article #2モノリシック/フェイシャルカットバック/フルレイヤリング前歯部ジルコニアセラミックスにおけるの選択基準

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る