QDT 2022年1月号
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QDT Vol.47/2022 January page 0027審美歯科修復の評価ポイント表1 歯科審美修復の評価ポイント。調和にも配慮しなければならない。われわれが修復する歯は顔の中のパーツのひとつであり、決して目立ちすぎてはいけないということを忘れてはならない。 局所的な評価は、硬組織(歯)と軟組織(歯肉)に分けられる。硬組織の評価では歯の左右対称性、色調、質感が挙げられる。軟組織の評価では歯肉縁形態の平行性、左右対称性、歯肉頂(ゼニス)の位置、色調、炎症の有無が挙げられる。②Perceptionに関する研究 診断において、われわれ歯科の専門家と歯科に関する知識のない一般人は、スマイルの構成要素について、それぞれ見えかたに違いがあるということを認識しておかなければならない。とくにこの分野の研究は、Perception(認知、直感、鑑識力など)と分類さ補綴装置と歯周組織の接点 第1回:エビデンスに裏付けられた歯科審美修復の診断と治療原則れている。一般的に用いられる研究手法は、「矯正歯科医」、「一般歯科医(General Practioner:GP)」、「歯科の知識のない一般人(laypersonといわれる)」の3つの対象群に対して、スマイルのひとつのパラメータをデジタルにより修正されたカラー写真である視覚アナログスケールを用いて評価するのが一般的である。 診断にあたり、スマイルの各構成要素に関して、一般人の許容範囲を認識することが必要となる。それをもとに、歯科審美修復におけるエビデンスに裏付けられた診断と治療計画の立案が可能となる6。③スマイル分析6、7 スマイル分析における構成要素は大きく3つに分けられ、それらはそれぞれ以下のような項目が考えられる6。27・安静時 ・会話時 ・スマイル時 ・その他硬組織:歯1.対称性 ・歯の形態と大きさ ・歯同士の大きさの比率 ・隣接面接触形態と高さ ・歯の位置と排列 ・上部鼓形空隙 ・切端の構成2.色調3.表面性状・質感顔、口唇との調和1.歯肉縁形態の平行性 ・リップラインとの調和2.歯間乳頭3.ゼニスの位置4.歯肉縁形態の対称性5.色調・炎症 ・レッドバンド ・ロール状歯肉 ・発赤 ・メタルタトゥー ・メラニン色素沈着 ・その他軟組織:歯肉歯科審美修復の評価ポイント

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