QDT 2022年1月号
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QDT Vol.47/2022 January page 006060 昨今のオールセラミックスを用いた審美修復治療は、修復材料の進化やCAD/CAMを介したデジタルソリューション、そして接着技術の向上により修復材料の選択肢やアプローチ方法が格段に拡張されている。しかしその反面、選択肢が増えたことでその適応基準がどんどん曖昧なものになってきているようにも感じる。ただし、たとえこれらの適応判断を多少見誤ったとしても、修復材料のもつ本来の強度や審美性、またシステムを活用した効率的なリカバリーや接着などによって不安要素が取り除かれ、特段大きな修復エラーにつながっていないというのも実情ではないだろうか。これは、本稿で取り上げるラミネートベニアにおいても同様ではないかと考えている。しかし、前歯の修復作業は部位や本数によって求められる審美再現の要求も異なってくる。そのため症例を見極めた上で適切な材料選択や設計を行うことがさらに重要となり、現在の修復材料のポテンシャルを考えればその再現性にはまだまだ伸びしろがあるのではないかと感じている。 今回は、プレスセラミックスを用いた前歯部ラミネートベニア修復にテーマを絞り、前編ではラミネートベニアの基本概念やマテリアルセレクションおよびワークフローを紹介し、後編では実際にプレスセラミックスを活用した臨床応用について詳しく解説してみたい。都築優治Ray Dental Labor京都府京都市山科区竹鼻竹ノ街道町18-8Feature article #2ラミネートベニア修復へのプレスセラミックスの活用と適応基準前編:ラミネートベニア修復の基本概念とマテリアルセレクションおよびワークフローはじめに

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