QDT 2022年3月号
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QDT Vol.47/2022 March page 0307プラン①プラン②プラン③ab19図1a、b 歯科技工士による診断用ワックスアップの例。図2 初診時の上顎前歯部正面観。プラン①:切縁の位置はそのままで補綴装置で根面を被覆する(歯冠長13mm)。プラン②:切縁の位置を根尖側に移動させて、補綴装置で根面を被覆する(歯冠長11mm)。プラン③:切縁の位置はそのままにして根面被覆術後、補綴装置を装着する(歯冠長11mm)。審美障害を改善する方法について、その種類・手技・選択基準等について症例を供覧しながら解説したい。本稿の理解を深めるために2022年1月号および2月号に掲載された木林博之先生(京都府開業)の前歯部の審美性に関する基礎知識を併せてごらんいただきたい1。 この前編においてはまず、“gain”にまつわる治療について解説する。具体的には歯肉退縮が起こった歯 歯肉退縮は外傷、不用意なブラッシング、歯周疾患、不適切な補綴・修復装置などさまざまな要因で発の根面被覆術、欠損部顎堤が縮小したケースにおける歯槽堤増大術を補綴前処置として実施する際のポイントについて解説を進める。本テーマに関するエビデンスレベルは未だ十分ではなく、筆者の私見が多分に含まれていることをご理解のうえ、ご一読いただければ幸いである。生する。中でも加齢の影響は大きく、歯肉退縮による審美障害を訴える患者は決して少なくはない2、3。症例1は歯肉退縮による審美障害を主訴に来院されたハイスマイルラインを有する40代の女性患者である。歯Gingival esthetics 前編:補綴前処置としての根面被覆術および歯槽堤増大術1)概要歯科技工士による診断用ワックスアップ症例1:初診時の上顎前歯部正面観1.歯肉退縮に対する根面被覆術

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