QDT 2022年5月号_2
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*1普光江 洋Hiroshi Fukoue/*2細山 愃(症例提供)Hiroshi Hosoyama補綴設計『今ならこうする』*1歯科医師・普光江歯科クリニック 高知県安芸郡田野町2147-3*2歯科医師・細山歯科医院 新潟県燕市秋葉町1-8-1150QDT Vol.47/2022 May page 0602ル・ソサエティーのHarvey Stallard先生、Charles E. Stuart先生、Peter K. Thomas先生、そして舘野常司先生(静岡県開業)の師匠であられたDaryl Beach先生などが日本の歯科界に西欧の科学を広められていたが、日本の大学の教育現場では平線咬合器か、せいぜい平均値咬合器の時代であった。それから47年、治療理念や咬合理論の進歩、さらに新しい素材と技術の進歩、そして今世紀になってからはコンピュータの発展にともなう診断と技工のデジタル化で、筆者の学生時代からは一気に100年もジャンプしたような隔世の感がある。 そうした時代背景を考えると、47年前に始められた─変わりゆく材料・コンセプト・ニーズの中で、各時点での「最善」を考える─ このたびの、細山先生による47年間におよぶ臨床の歴史を拝見して身のすくむ思いがした(前号参照)。初診時からこれだけの写真とペリオチャート、咬合診断表などを採り続けられていたことに敬服するほかない。47年前といえば1974年であり、筆者はまだ大学生のころであった。当時、大学の授業では鋳造冠を学んでいたが、田舎の診療所ではまだ「バケツ冠」(縫製冠)が大手を振っていた時代である。口腔内写真を撮るという発想など、開業医レベルでは考えられない時代にもかかわらず、これだけの臨床をなさっていたことが信じられない。 もちろん、当時でもカリフォルニア・ナソロジカはじめにリレー連載第5回 インプラント長期症例が示す臨床像を振り返って(中編)補綴設計『今ならこうする』

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