QDT 2022年5月号_2
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図1 抜歯後の唇側歯槽骨の吸収を見越して水平的なレスカントゥアを付与し、またファイナルレストレーションでクリティカルエリア(前編図6参照)をプレスして歯肉縁の位置とボリュームを与えるために、1mmの垂直的なレスカントゥアを付与する。このPVRでの歯肉縁のコントロールがインプラント補綴において重要な役割となる。Neck profileから考察するインプラント補綴形態(後編)69QDT Vol.47/2022 May page 0621垂直的なレスカントゥア水平的なレスカントゥア 前編では、インプラントポジションとインプラント特有の補綴形態を理解することで、複雑な増生処置などをしなくても患者の満足のいく治療は可能であるということを解説させていただいた。その中でもとくにNeck profile(左ページの図)の考え方を理解することで補綴形態によって軟組織のコントロールが可能になる。Natural neck profileは歯肉縁水平断に対するクリティカルカントゥアの形態で、これを基準に考える。Neck in profileはクリティカルカントゥアの幅を狭くして角度を大きくすることで、歯肉を切端側に倒れ込ませる。逆にNeck out profileはクリティカルカントゥアの幅を広く角度を小さくすることで、歯肉を根尖側に押し下げる。 これを踏まえ、後編では・ プロビジョナルレストレーション(以下PVR)での歯・ PVRの製作方法を解説する。PVRの形態(図1)によって歯肉縁の位置をコントロールするだけではなく、歯肉縁のボリュームを与えることもできる。これにより審美性が向上し、患者の満足度はさらに向上する(図2)。肉縁位置とボリュームのコントロール■PVRの形態はじめに

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