QDT 2022年5月号_2
7/9

90QDT Vol.47/2022 May page 0642加工関連費用のコストに大きく影響する。また、チッピングや加工物の脱落など、再ミリングにつながるリスクを避けるためにも重要な工程となる。CAMソフトの自動配置機能やある程度のマニュアルがあるとはいえ、症例ごとに加工物の形態が異なるのが歯科の特徴であることから、無駄なくディスクを使用するためには、最終的に扱う作業者の感覚で設定する必要がある。実際、対象加工物の形状や加工するマテリアルによってオフセット量やコネクターの本数・サイズが変わるため、工夫を必要とするケースも多い。 今回と次回でネスティングにおいて押さえておきたいポイントを紹介する。藤松 剛株式会社 STF/京都府長岡京市開田2-1-5 とみふじビル3F株式会社 STF Tokyo/東京都台東区東上野6-23-5 第二雨宮ビル1F 101 今回からはネスティングについて解説していきたい。ネスティングは産業界において板金加工を行う際に1枚の鋼板から複数の部品をまとめて加工するために加工物を配置する工程である。ネスティングを行うことによって材料の無駄がなくなり、製作コストと作業時間を削減することが可能となる。このネスティングは手動で行う場合もあるが、専用ソフトを使用して自動的に行われることもある。 歯科界におけるネスティングも産業界と同じ意味で使われ、加工予定のディスク・ブロックに加工データであるデザインされた加工物のSTL形式のデータを配置する工程となる。歯科業界で使用する素材は高価な材料が多く、1枚のディスクから何個加工できるかが第20回 ネスティングで押さえておきたいポイント(前編)はじめに連載Road to Modellessモデルレス時代に向けてデジタル機器を使いこなすために

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る