ザ・クインテッセンス6月
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135硬組織無痛蒸散の練習法山本敦彦/吉野敏明*大阪府開業 (医)成仁会 藤沢台 山本歯科連絡先:〒584‐0071 大阪府富田林市藤沢台5‐4‐16*神奈川県開業 吉野歯科診療所連絡先:〒220‐0004 神奈川県横浜市西区北幸1‐2‐13 横浜西共同ビル5FThe Practice of Painless Transpiration for Hard Tissue Atsuhiko Yamamoto, Toshiaki Yoshinoキーワード:Er:YAGレーザー,硬組織無痛蒸散,Micro MI,マイクロエクスプロージョン際の各エネルギーによる蒸散面の違いである.エネルギーを必要以上に上げると蒸散面に炭化層が出現することがみてとれる.タービンに対抗し,切削(蒸散)スピードを求めるがゆえに,Er:YAGレーザーを高出力で使用する方がいるがメリットはない.筆者らはEr:YAGレーザーによって「どんどん削る」のではなく,「必要最小限の蒸散」を提唱し,それを従来のMIから発展させた“Micro MI”と名付けている.2.Micro MIにおけるマイクロスコープの重要性 図2は,う窩を肉眼(1倍)および20倍で見たときの比較である.当然,高倍率ほど目に入る情報量も増え,う窩の状態を細部にわたって観察することができる.このことは,Er:YAGレーザー照射中の蒸散面の確認の際にもいえる.肉眼では確認できなかった微細な軟化象牙質の蒸散状態を詳細に確認ではじめに 前回(5月号)は,レーザーの名の由来や,同じ“YAG”でもEr:YAGレーザーとNd:YAGレーザーはまったく異なること,そしてEr:YAGレーザーの安全性について基礎的な話を中心に解説した. 今回は,実際のケースを供覧しながら,主に硬組織無痛蒸散の練習法をイラストとともに解説する.1.「どんどん削る」ではなく「必要最小限の蒸散」が大切 「タービンのように削れる」,多くの臨床家がEr:YAGレーザーを硬組織蒸散に用いる際に掲げてきた謳い文句である.しかし,それが本当にEr:YAGレーザーを用いるアドバンテージだったのか.図1は,Er:YAGレーザーを象牙質に照射した3ペリオ&インプラント治療へのEr:YAGレーザーの活用the Quintessence. Vol.31 No.6/2012̶1305

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