ザ・クインテッセンス7月
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115小川隆広*1/船登彰芳*2/山田将博*1,3/高瀬一馬*4/西村正宏*4/村田比呂司*4/萩原芳幸*5*1UCLA歯学部ワイントローブ再建バイオテクノロジーセンター,先端補綴,生体材料学講座連絡先:10833 Le Conte Avenue, CHS B3‐088H, Los Angeles, CA90095‐1668, USA*2石川県開業 なぎさ歯科クリニック連絡先:〒920‐0031 石川県金沢市広岡2‐10‐6*3東京歯科大学有床義歯補綴学講座連絡先:〒261‐8502 千葉県千葉市美浜区真砂1‐2‐2*4長崎大学大学院医歯薬学総合研究科歯科補綴学分野連絡先:〒852‐8588 長崎県長崎市坂本1‐7‐1*5日本大学歯学部歯科補綴学Ⅲ講座連絡先:〒101‐8310 東京都千代田区神田駿河台1‐8‐13Drastic Acceleration of Bone-Implant Integration by Photofunctionalizationキーワード:光機能化,インプラント安定度評価,オステル,ISQ値,スーパーオッセオインテグレイションTakahiro Ogawa, Akiyoshi Funato, Masahiro Yamada, Kazuma Takase, Masahiro Nishimura, Hiroshi Murata, Yoshiyuki Hagiwara光機能化による骨結合スピードの大幅な増加とインプラント安定度評価のパラダイムシフトEVALUATION OF THE STABILITYはじめに オステルOsstell ISQ(以下,オステルと略)はインプラントの安定度を評価する機器である.臨床の現場でも徐々に広がりをみせ,論文でも目にすることもあるが,その使用に際しての妥当性,有効性に関する理解はいまだ十分とはいえない.具体的には,どのようなケースで活用でき,どのようなガイドラインを術者に与えるかについての理解には,探究の余地が多いと思われる. 一方,近年,インプラント医療を歴史的な転機に導いたテクノロジーがある.この技術は光機能化と呼ばれ,インプラント体を最適な波長と強さをもつ複数の光で処理することにより,①脱カーボン②電荷の最適化③超親水性化を実現し,インプラントの骨結合能力を最大化させる1.光機能化したインプラントの骨接触率は近似100%を達成することが動物実験にて明らかにされ,この現象は,スーパーオッセオインテグレイション(超骨結合)と定義されている2~6.また,この技術は,インプラントのバイオロジカルエイジングにより,能力が1本1本不均一に低下したインプラントを高いレベルで均一化することから7,8,Brånemarkの描いた骨結合の概念を,理想化する技術であると考えることもできる.治療学的には,インプラント間,患者間の不平等を解消する役割を担う(バイオロジカルエイジングを含めて,光機能化の詳細とメカニズムについては,本誌2011年9月号を参照いただきたい9,10). このような光機能化による骨結合の新時代において,そのことがインプラント医療の周辺技術,術式にどのように影響するのかを検証することはきわめて重要であり,そして,タイムリーに報告していくことが学術の大きな役割であり,責務であると考える.またこのことが,日本を発信拠点に行われることは,わが国の医療への発展のみならず,大きな国際貢献にもつながる.そこで,本論文では,インthe Quintessence. Vol.31 No.7/2012̶1519

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