ザ・クインテッセンス12月
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特集特集42 Digital Dentistryとは,生体計測と分析,およびそれに基づく診断や各種材料の加工をデジタル化した言葉だと考えられる.2000年頃までは歯科用CAD/CAMシステムを用いて,主に補綴物の製作を指すことが多かった.これは現在では臨床的許容範囲の製作精度と長期臨床成績が報告され,一定の完成をみたといえる. しかし近年,これまで1個の独立した機器であったCAD/CAMシステムは解体され,有機的にネットワークを構築することが可能となっている.これにより異種機器をも取り込むことで,まったく新しいサービスを提供するに至っている(図1). 具体的には,CADによる補綴物の設計とCBCTデータをオーバーラップさせることで,適切なインプラント計画の立案を行い,CAMによるサージカルテンプレート製作に基づく手術サポートまで実現されている.また,顔貌の計測に基づく矯正治療のシミュレーションや,リップサポートを考慮した前歯部の補綴計画,義歯設計および製作が実現されつつある.このように新しい領域が次第に開拓されることは,ひとえにデジタル技術の進化の賜といえる. これから日常臨床に新たな治療コンセプトを導入するためには,情報の整理と自身の診療スタイルに合致した適切な選択が重要となる.しかし,歯科領域のなかでも,これら技術革新のスピードは格段に速く,新材料からソフトウェアのアップデートまで,日々更新される情報に追いつくことは容易なことではない. 本企画は,つねに止まることなく驚くべきスピードで進化を続けるDigital Dentistryについて,とくにCAD/CAMシステムを中心に現在を切り取り,整理・検証することで,一般臨床家がこれからどのように参画すべきか提案してみたい.監修:風間龍之輔著:風間龍之輔/依田慶太/青 藍一郎/山﨑 治/岩城有希/鈴木 彰/夏堀礼二/ Alessandro Devigus/井髙沙織(執筆順)プロローグ デジタルデンティストリーとは?今,何ができるのか? これから,何ができるのか?GPのためのDigital Dentistryup to dateキーワード:デジタルデンティストリー,CAD/CAM,ジルコニア,口腔内スキャナthe Quintessence. Vol.31 No.12/2012̶2632

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