ザ・クインテッセンス12月
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マイクロ導入までに若手Drが習得すべき6ステップ─ここまでやろう! 歯内療法マイクロ導入までに若手Drが習得すべき6ステップここまでやろう! 歯内療法154FUNDAMENTAL COMPREHENSION1. 連載最終回の根管充填について 2月号の診断の重要性から始まり,髄腔開拡のコツ,コロナルフレア,そしてもっとも重要な根尖3分の1の根管形成,根管洗浄と根管貼薬の役割と説明してきた本連載も今回が最終回である.最終回は,根管充填法について解説する.根管充填は何のために行うのか,そのためにはどんな根管充填法を選択すべきなのか,そして最終的に根管治療の予後を左右するものは何か,ということについて解説していきたいと思う.2.根管充填の目的は? 根管充填の目的は2つある.1つは,機械的清掃および化学的清掃によりキレイにした根管内を再感染しないように,その感染経路を封鎖することである.そのためには複雑な根管系を緊密にしっかり封鎖する適切な歯科材料および技術が必要となる.しかし,すべての症例で根管内細菌をゼロにすることができるわけではない(完全なゼロにできる症例など根管充填って,何のため?ステップ6ない,とも言える).機械的清掃と化学的清掃を十二分に行ったとしても,象牙細管の深部などには細菌が残る可能性がある.最後まで取り除くことができないわずかな細菌感染を細管内に閉じ込めてしまおう(entomb)というのがもう1つの目的である(図1).完全な無菌状態をつくるのは困難であることを踏まえて,わずかではあるが残った細菌感染を封じ込めてしまおうという考えである.キーワード:根管充填,側方加圧充填法,ラバーダム,滅菌澤田則宏*/吉川剛正*1/田中利典*2*東京都開業 澤田デンタルオフィス/*1けやき歯科桜台診療所/*2川勝歯科医院*連絡先:〒160‐0004 東京都新宿区四谷1‐18Why Should We Fill the Root Canal System?Norihiro Sawada, Gosei Yoshikawa, Toshinori Tanaka(全6回最終回・隔月連載)entombという考え方図1 わずかな細菌感染を細管内に閉じ込める(entomb)のも根管充填の目的の1つ.the Quintessence. Vol.31 No.12/2012̶2744

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