ザ・クインテッセンス12月
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166 患者さんと向き合うことをおざなりにしては今後の歯科医院経営は立ち行きません.そこで,医院一丸となって行えるコンサルテーションの極意をやさしく解説します.林 美穂歯科・林美穂医院連絡先:〒810‐0041 福岡県福岡市中央区大名2‐1‐35 トライエント山崎ビル6FDr.美穂の㊙コンサルテーションテクニックMANAGEMENT患者:56歳,女性 初診:2008年1月7日 主訴:右下の被せものが外れた.来院までの経緯:患者は過去に何軒もの歯科医院を転々としていたが,状態は悪くなる一方で,歯科治療に不満を抱えていた.不定愁訴が多く,頭痛,肩こり,吐き気,めまい,湿疹,のどの痛みなどが存在した.Step12 (最終回)コンサルテーションの極意を症例とともに学ぶ 本連載も今回でいよいよ最終回です.前回までの稿を通じて,「コンサルテーション」とひと口にいっても,実際は多くのことを考えながら初診から治療終了までに3年を要した症例を通して,患者さんへのコンサルテーションの秘訣を解説してみたいと思います.今月のメニューキーワード:コンサルテーション行う必要があることを,ご理解いただけたでしょうか? 今回は,長期間の治療が必要な患者さんと治療前~治療後のメインテナンスまで良好な関係を保つには,どのような点に気をつけ,対応すればよいのかを,症例を通して考えてみたいと思います.図1 口腔内所見.下顎大臼歯部は欠損しており,下顎前歯は上顎前歯部口蓋粘膜を咬んでおり,顎位の低下,下顎位の後退がみられる.咬合時正面観では,下顎前歯は見えない.では,BOP以外に排膿もみられる.その他の所見としては,左右顎関節部に疼痛があり,開閉口時にクリック音の存在を認める.口角は下がり,顔面は湿疹により赤い状態を呈している.術前the Quintessence. Vol.31 No.12/2012̶2756

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