ザ・クインテッセンス2月
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2血圧を測っていますか?怡土信一/横山武志九州大学大学院歯学研究院口腔顎顔面病態学講座歯科麻酔学分野連絡先:〒812‐8582 福岡県福岡市東区馬出3‐1‐1社会から問われる医療安全FEATURE巻頭特集 現在の日本の人口は,およそ1億2,500万人である.そのうち何人が高血圧といわれているかご存じだろうか? 驚くべきことに,わが国の高血圧者は約4,000万人もいる1.さらに,正常範囲でもやや血圧が高い(正常高値血圧という)高血圧予備群は,約1,500万人である.幼少児の高血圧は少数だが,15歳以上では約35%が高血圧症とされている.高齢になれば,その割合はますます高くなる2.高血圧者の歯科治療を安全に行うには,多くの注意すべき点がある.患者が高血圧か否か,実際に血圧を測って確認することが必要である.高血圧は日本人の「国民病」! 歯科医院での血圧測定はとくに必要ないと思っていないだろうか? 血圧は身体の状態をあらわす重要なバイタルサインである.血圧は,高すぎても低すぎても身体の正常な機能が損なわれる.長期にわたる高血圧は,重要な臓器にダメージを与える.しかし,患者が自分の普段の血圧を把握しているとは限らず,合併している全身疾患に気付いていないこともある.また,歯科治療時のストレスや精神状態によって血圧は容易に変動し,患者の健康を害することもある.患者の血圧を知らずに安全な歯科医療を提供することはできない.歯科医院で血圧を測る必要はない?問診票では血圧に問題なしだったのに!15歳以上での高血圧症患者率約35%the Quintessence. Vol.33 No.2/2014—031755

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