ザ・クインテッセンス2月
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はじめに 21世紀の現在,科学は発達し医療は飛躍的に向上し,日本人の寿命は長寿の一途である.そんな現代社会において,アンチエイジングという分野が脚光を浴びていることは周知であるが,われわれがよりよいエイジングを辿るために何が求められるかといえば,それは「壊れない個体」であろう.もちろん,生ある限り,形ある限り「壊れない」ことはあり得ない.しかし,いかに壊れにくくするかを考えたとき,壊れる原因を取り除くことが必須となる. 筆者のめざす包括歯科臨床は,最小の侵襲で最大の効果を上げることを主眼とし,口腔医学(Stomatology)という観点から病態に陥った崩壊の原因を探し取り除き,生体の治癒能をひきだすアプローチを行う.それから修復歯科医学(Dentistry)としての視点と手技をもって,崩壊した部分を修復することによって不足部分を補う,崩壊する以前の状態に戻すという,StomatologyとDentistryの両輪の考え方に基づいた2つの理論をもって,2段階に診査・診断,治療計画を立てる(図1)1,2.そしてDentistry修復学,補綴学的咬合論としての診査・診断どう立て直すか?Stomatology生理学的咬合論としての診査・診断原因を考える図1 StomatologyとDentistryの両輪で,患者の顔貌から全身までのバランスケアを考えていく.患者の力のコントロールを考慮した矯正治療健やかなエイジングをめざして!─いま求められるStomatologistとしての役割─東京都開業 フォレスト歯科・矯正歯科連絡先:〒114‐0021 東京都北区岸町1‐2‐13‐2F・3F森田明子キーワード:Stomatology,矯正治療,力のコントロール,3大悪力,態癖Orthodontic Treatment Considering Patient's Force ControlAkiko MoritaAGING162the Quintessence. Vol.33 No.2/2014—0424

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