ザ・クインテッセンス5月
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安心, 期待, 希望治 癒通常の検査・処置ればどうだろう.多くはTSDアプローチ(Tell:話して,Show:見せて,Do:試みる)で協力が得られるかもしれないが,検査すら納得してもらえないこともある.場合によっては母親を交えて人形や紙芝居などを用いて納得に至ることがあり,この一連のサポートはpreparationに相当する(図1). Preparationにより非協力的から協力的になるのは患児の利益にとどまらず,治療者にとっても治療環境の改善につながり,治療効果の向上が期待できる.たしかにpreparationしなくても強制的に治療できるし,全身麻酔でも治療できる.しかし,歯科治療はその後も必要になるので,患児の社会生活への適応や将来の自己管理等を考慮するとpreparationは有用な手段である. 本稿では,矯正歯科治療におけるpreparationをテーマに,その基本的な考え方を述べてみたい.そのうえで,矯正装置において有用だと筆者が考える装置を用い,preparationによりtoughケースをeasyケースに変えた症例を提示し,その実例を示してみたい.“preparation”99the Quintessence. Vol.33 No.5/2014—1063

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