ザ・クインテッセンス2014年6月
4/8

るアプローチが必要になってくる.なぜなら,そこには「機能の低下という全高齢者に共通する問題」が隠されているからである. そこで本欄では,「高齢者歯科口腔保健の現状と課題」をもう一度,見つめ直したい.老年歯科医学の位置づけを再確認するとともに,高齢者でとくに罹患率が高い認知症への理解は必須である.つづいて,高齢者の顕在化した歯科ニーズ,そして知らないと怖い潜在的あるいは不顕在な歯科ニーズの本質と,そのニーズへの対応法を紐解きたい.最後に人口減社会では高齢者の持続的医療サービスがキーポイントとなる点も理解してほしい. 少子超高齢・人口減社会のなか,今ほどかかりつけ歯科医のあり方が問われていることもないであろう.しかし,高齢者への対応に関しては未だに理解が浸透しておらず,木を見て森を見ずというような状況も散見される.具体的には,摂食を飛び越えて嚥下,とくに検査ばかりに焦点があたってしまったり,また,きちんとした日常臨床ができないのに訪問診療に飛びついたりという事例がみられるのだ. 高齢者歯科医療というと,口腔ケアにばかり関心が向かっているが,果たしてそれだけでいいのだろうか? 小児歯科特有の医療提供体制があるのと同様,う蝕,ペリオ,歯周補綴という同じ疾患でも,高齢者に対しては異な現状と課題”1.老年歯科学とは何か?2.認知症のインパクト3.顕在化したニーズと潜在的なニーズ4.なぜ高齢期に歯の喪失が加速するのか5.高齢者の歯科ニーズにどう対処するか6.持続可能な高齢者歯科口腔保健・医療のためにp. 94p. 96p. 98p. 99p. 101p. 103CONTENTS93the Quintessence. Vol.33 No.6/2014—1267

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です