ザ・クインテッセンス2014年6月
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フッ化物の応用も含めて図1a 健全エナメル質.図1b 表層下脱灰(最表層は脱灰されず,その下層10~20μmが脱灰される).図1c 表層下脱灰.フッ化物やCPP-ACPの適用で再石灰化していく.Akira Senda愛知学院大学歯学部保存修復学講座連絡先:〒464‐8651 愛知県名古屋市千種区末盛通2‐11千田 彰キーワード:保険改定,根面う蝕,フッ化物,管理型医療,高齢者Prevention and Care of Caries Lesions in an Unprecedented Aging SocietyDealing with such Enormous Phenomena of Root Surface Carious Lesions Occurred in Geriatric People──Application of Fluoride表層下脱灰FEATURE特 集 4 超高齢社会に突入した現在,8020達成も現実的になってきつつある.ところがここにきて,高齢者の二次う蝕,根面う蝕の多発傾向が問題視されてきており,本年4月の診療報酬改定では,『自立度が低下した在宅等で療養を行っている者の初期根面う蝕に対するフッ化物歯面塗布』が評価された.そのようななか,在宅訪問診療の現場,臨床の現場での声を聞いてみると,実際の二次う蝕・根面う蝕の治療,とくに上顎の第一大臼歯よりも後方の歯などは,非常に困難であること,さらには治療というよりは予防・進行抑制的な手技が主となることなどが聞こえてきた.すなわち「う窩発生以前の取り組み」に対するメルクマールが必要になってきそうである. そこで,高齢者の二次う蝕,根面う蝕の予防はどこまで可能なのか,またフッ化物塗布・サホライド塗布等のシーリング材の築成のどれが一番有効なのかをキーワードに,日本歯科保存学会の現理事長のお立場から,千田 彰先生(愛知学院大学教授)にご寄稿いただいた. (編集部)超高齢社会における根面 116the Quintessence. Vol.33 No.6/2014—1290

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