ザ・クインテッセンス7月
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血管迷走神経反射副交感神経交感神経自律神経迷走神経アドレナリン予備力公立学校共済組合 九州中央病院歯科口腔外科連絡先:〒815‐8588 福岡県福岡市南区塩原3‐23‐1堀之内康文キーワード:全身的偶発症,情報収集,問診Yasufumi Horinouchi連載目次(予定)総 論 これで安心! 高齢者・有病者の外科処置時の偶発症予防��6月号各論1 全身的偶発症を防ぐための患者情報の収集�������7月号各論2 術前の全身状態の評価,術前管理�����������8月号各論3 全身的偶発症の原因であるストレスの低減法������9月号各論4 全身的偶発症を防ぐための痛くなくてよく効く局麻���10月号各論5 術中管理,モニタリング���������������11月号各論6 術後管理,投薬�������������������12月号はじめに 本誌6月号の特集にて「高齢者・有病者の外科処置時の偶発症予防」についての総論を解説した.そこで今回からは,各論として6回にわたって解説していきたい. 歯科治療中の全身的偶発症を防ぐためのキーポイントは,①全身状態(とくに全身疾患の重篤さと身体的予備力)の評価と,②治療中の精神的・肉体的ストレスの軽減である.全身状態の評価は,問診,身体観察,検査,対診等により行うが,問診から得られる情報は非常に多く重要である.問診の重要性 詳細に問診して,全身疾患の重篤さ,身体予備力を評価し,歯科治療上の問題点をリストアップする.全身疾患についての問診では,「何をどこまで聞いてよいのかわからない」という声を耳にすることがある.しかし,これから診断をつけるわけではなく,すでに診断がついている疾患について詳細に聞き出すだけであるから,必ずしも難しいことではない. 短時間で効率的に必要な情報を聞き出すためには,全身疾患と歯科治療時のリスク,問題点を関連づけて聞く必要があるので,そのための知識が必要である(図1).1. どのような疾患か?(疾患についての知識) 病態,症状,検査,治療,薬剤,合併症などの知識2. 歯科治療上,何が問題なのか? 歯科治療中にしてはならないこと,注意すべきポイント3. 歯科治療中にどのような偶発症,トラブルが起きうるのか?4. 歯科治療中に起こる偶発症,トラブルをどう防ぐのか?5. 歯科治療中に起きたトラブルにどのように対処するのか?全身疾患と歯科治療リスクについて必要な知識(図1)1 全身的偶発症を防ぐための 患者情報の収集新連載高齢者・有病者の外科処置時の偶発症予防これで安心!133the Quintessence. Vol.33 No.7/2014—1517

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