ザ・クインテッセンス11月
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小児から高齢患者まで大活躍!簡単にできる咀嚼能力評価 読者の皆さんは,「咀嚼能力」という言葉をきちんと説明できるだろうか.日本補綴歯科学会のガイドライン1では,“補食から嚥下閾にいたるまでの全体の能力”とされている.つまり,食べ物を口に含み,噛み切り,砕いて,唾液と混ぜ合わせて食塊を形成して,嚥下をするために必要となるすべての能力を総称した言葉である. そして,研究分野では古くから「咀嚼能力」を客観的に評価し,定量化するための試みが行われてきた.それが「咀嚼能力評価」である. 一方,日常臨床において「咀嚼能力」はどのように評価されているだろうか.多くの場合,欠損状態や補綴物の状態,また問診により総合的に,言い換えると歯科医師の主観により判断されると思われる.しかし,主観による判断は評価を誤ることもあり,また患者の「噛めない,食べられない」という訴えと,歯科医師の判断が一致しないことが大いに生じ得る.そのような歯科医師と患者の齟齬を解消すべく,今後は「咀嚼能力評価法」が臨床にも活用されることが期待される.咀嚼能力/咀嚼能力評価ってナンだ?濵 洋平/金澤 学/駒ヶ嶺友梨子/山賀栄次郎/水口俊介東京医科歯科大学(TMDU)大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野連絡先:〒113‐8549 東京都文京区湯島1‐5‐45Yohei Hama, Manabu Kanazawa, Yuriko Komagamine, Eijirou Yamaga, Shunsuke MinakuchiA Simple Evaluation of Masticatory Performance for Whole Generations, from Children to the Elderlyキーワード:咀嚼,咀嚼能力評価法,色変わりガム,コミュニケーションツールFEATURE特 集 146the Quintessence. Vol.33 No.11/2014—2354

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