ザ・クインテッセンス11月
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日本の歯科医療現場にマイクロスコープが導入されて20年弱といわれており,最初の10年程度は一部の歯内療法専門医が用いる特殊な機器とみなされていたと思われる.筆者自身もその必要性に気づくまでに数年の時間を要したのを記憶している.大学院修了当時,拡大鏡(拡大倍率3倍)を頻繁に使用し,ミラーテクニックを駆使しながら行う歯科治療を自分のスタイルとしていた.本学総合診療科には各フロアにマイクロスコープが1台ずつ計4台設置されていたが,とても有効活用されているとはいえない状況であった. 日常的に使用していたのは歯科保存学第一講座の五十嵐勝教授ただ1人だったと記憶している.補綴領域専攻の筆者にとって苦労してまでマイクロスコープを使いこなす理由は見つからなかったが,五十嵐教授からアドバイスを受け,治療内容をモニター表示して学生教育したいという思いで6年前に本格的に取り組んだ.モニター映りを常に意識して使用したため,短期間に上達できたのではないかと思い返している.その経験からマイクロスコープ診療上達のための勘所を紹介させていただく.はじめに93the Quintessence. Vol.33 No.11/2014—2401

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