ザ・クインテッセンス12月
1/8

社会から問われる医療安全FEATURE巻頭特集 全身的偶発症を予防するための 適切な照会状書けますか?矢郷 香国際医療福祉大学三田病院歯科口腔外科連絡先:〒108‐8329 東京都港区三田1‐4‐3糖尿病約2,210万人脂質異常症約2,200万人高血圧約4,300万人骨粗鬆症約1,280万人国民の3人に1人国民の5人に1人国民の10人に1人国民の10人に1人 日本人の3分の2近くが偏った食事,運動不足,ストレス,喫煙,飲酒などによって引き起こされる生活習慣病で亡くなっている.高血圧,糖尿病,脂質異常症は三大疾患といわれ,かかっている人が多い.超高齢社会となり骨粗鬆症の患者も増加している.動脈硬化が進行すると,心筋梗塞や脳梗塞なども起きる.中高年の多くが何らかの生活習慣病を持っていて,これら患者の歯科治療時,思わぬ全身的偶発症を引き起こす可能性がある.リスクを回避するためにも,照会状にて医科主治医に病状の問い合わせを行うことが必要である.こんなに多い生活習慣病 超高齢社会,生活習慣病の増加などで,高血圧や糖尿病などの何らかの病気を抱えて歯科受診する患者が多くなっている.有病者の歯科治療時,急激な血圧上昇による脳出血の発生,糖尿病患者での重篤な感染症,肝機能障害患者では出血のリスクがあるので注意が必要である.とくに,抜歯や歯科インプラント手術などの歯科外科処置の際に全身的な偶発症を起こすので,術前,医師との連携は欠かせない.医科主治医から必要な情報を得て安全な歯科治療を行うために,適切な照会状を書くことが重要である.糖尿病狭心症高血圧安全な歯科治療に照会状は必須最終回the Quintessence. Vol.33 No.12/2014—255743

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です