ザ・クインテッセンス2015年7月
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3特 集はじめに 患者個人にとっての理想的な下顎位(咬合)を探るという命題は,臨床家にとっての永遠の課題なのかもしれない.諸説が乱立したナソロジー全盛の時代を経ても,結局,その答えを導きだすには至っていない.現状では,臨床家が独自の考え方や諸説を統合するなどして試行錯誤しながら,理想的な下顎位(咬合)を求め,治療を行っていることが多いようである. 筆者は,「下顎位とは,上下の歯の全体的な接触関係のなかで語られるもの」と考えている.本来咀嚼時以外では上下の歯は,それほど接触していないのが普通である.そこで,咀嚼時以外では安静位空隙の状態で下顎位は存在するわけであるが,嵌合位と安静位での下顎位を考えながら矯正や補綴物の設計をしていかなくてはならない.そのためには,舌と上下歯列の安定した関係を考えながら診断し,治療を進めていくこととなる.福岡県開業 下川歯科医院連絡先:〒802‐0006 福岡県北九州市小倉北区魚町1‐1‐1 西日本小倉ビル5F下川公一Koichi Shimokawaキーワード:咬合治療,下顎位,治療ゴールFEATURE特 集 3Dr. 下川の咬合治療とその概念Movieスマホで動画が見られる!(使い方:P3参照)P101, 104第1回 私の考える理想下顎位(咬合)の定義と咬合治療動画で理解!1回目 私の考える理想下顎位(咬合)の定義と咬合治療2回目 パラファンクション等の力への対応3回目 筋・筋膜・トリガーポイント圧迫ストレッチ法の併用連載目次Dr. Shimokawa’s Occlusal Rehabilitation1The Definition of Accurate Mandibular Position and its Occlusal Rehabilitation96the Quintessence. Vol.34 No.7/2015—1428

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